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思考錯誤

馬鹿の考え休むに似たり

かわいいお祭り

 ぼんやりとテレビを見ていたら、番組と番組の間でやる5分程度のミニ番組で地方のお祭りを紹介していた。

 それがかわいいのなんの。まるで和製ハロウィン。

 

 雪の降る夜、子供たちがお手製の藁馬を小脇に抱えて民家へ忍び寄る。

 玄関に馬とお菓子を入れる藁の籠を置き、「とらへーい」とおどけて声をかけ、いっせいに物陰へと隠れる。

 家の人は縁起物の藁馬を引き上げるかわりにお菓子(映像では一軒ごとにみかん箱を抱えていたので、なかなか豪快な量)を玄関先に置いておき、子供達はまたもやこっそりそれを取りに戻る。
 綱をつけておいた藁の籠をドアの陰からそろーっと引っ張るのだが、お菓子を持って逃げるのが遅くて家の人に見つかると柄杓やバケツで水をかけられてしまうのが習わし。

 

 嬉々として水を構えて家の中から出てくるおっちゃん達。
 宵闇の雪の中、撒き散らされる水に、子供達は笑いながらてんでに逃げ出すのだ。

 

 大人相手のかくれんぼ、奇声、鬼ごっこ、そして真冬の夜に水をかけられるまでの予定調和を含めて、子供は「いたずら」と「お約束」が大好きだから笑いを堪えられない。

 ただ集会所に集まって駄菓子を配られるよりも、子供たちも打ち解けやすいのではと思う。

 これは広島県庄原市で江戸時代から続く、農村に欠かせない牛馬の健康を祈願したお祭りらしい。

 若い人が居なくなって有名どころの客寄せができるお祭り以外どんどん廃れていく一方で、子供たちがメインとなって、嬉々としていたずら好きな神様を演じているこのお祭りは、とても微笑ましい。

 偶々見かけただけの番組だったが、なごんでしまった。

 

 

 

 

 疑問

 子供たちは「寅平」と掛け声をかけるわけだが、これは暦の事だろうか。

 土用の丑があるので十二支の日があるのはわかっていたが、建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉からなる十二直という暦は初耳だった。
 それとも本物の虎を指して、荒ぶる猛獣が平らかになり、家畜が病魔や外敵から襲われませんようにという祈願なのか。藁の馬はお雛様と同じように依り代として奉られるのだろうから、こっちもあり得そう。
 もしくは単純に寅平という人物が発祥なのか。
 ネット上では詳細が見つけられなくて残念でした。